真っ赤なチャンポン

dilbelau

2013年01月06日 09:11

非常に寒かったこの日のお昼は、上司の提案で 「徳和園」 へ。先代が創業して以来60年の歴史を持つ店だ。創業者である先代社長は、海産物の豊富な釜山だから具の味を生かすため、だしは野菜で取ろうと考え、うどんなどのだしは生の大根を煮込んでとっているのだそうだ。

この日はチャンポンを注文。いかにも辛そうな真っ赤なチャンポンだ。韓国でチャンポンといえばこういう赤いチャンポンが一般的だが、少し前、「꼬꼬면(ココミョン)」 や 「나가사끼 짬뽕(長崎チャンポン)」、「기스면(キスミョン)」 などの白いスープのチャンポンも流行った。もっとも白いスープといっても、青唐辛子がきいているので辛いのだが。それもそう言えば、もう話題からすっかり消えてしまった感じがする。



この店の赤いチャンポンも辛いことは辛いのだが、辛さの中にダシの旨味が感じられておいしい。野菜や海鮮の具がたっぷり入っている。スープは一口、もう一口と、結局全部いただいてしまうほど後を引くおいしさだ。



食べ終わると、熱々のスープと辛さのため身体がほかほかに温まった。

店を出ると上司が 「食べたおかげでさっきより(아까보다)寒くなくなった」 と。そしてその自分の言葉を継ぐように 「아까(アッカ=さっき)というのは慶尚道(キョンサンド)の方言だよ」 と私に教えてくれた。「外国人が아까という言葉を使っていると、それを聞いた韓国人は “あ、この外国人は慶尚道で韓国語を習ったんだな” とすぐ分かると思うよ」 と。

そんなこと初めて聞いたので私がかなり驚いていると、もう1人の上司も 「そうですよ」 と同意する。

釜山で暮らし始めて約5年、아까が方言だなんて一度も聞いたことがなかったし、辞書を見てもやはり方言という表示はないし、おかしいなとは思いつつも、2人ともが方言だと言い切るので 「へぇ~、知らなかった」 と。

でもその後、どうにも腑に落ちず、ちょうど以前お世話になっていた韓国語の先生を自宅にご招待する機会があったので、そのとき아까(アッカ)のことを聞いてみたら一言、「方言じゃないですよ。標準語ですよ」。

上司らの思い違いだろうという結論に。



徳和園(덕화원)
釜山市東区水晶2洞1-105
(051) 441-8807

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