映画『外事警察』
先日、11月8日に公開された 『外事警察(외사경찰)』 を夫と観にいった。釜山ではCGV西面(ソミョン)とロッテシネマ釜山本店の2館でしか上映されていないようで、そのうちロッテシネマの上映時間は24時頃。実質、私たちが観にいけるのはCGV西面だけだった。CGV西面は、西面の中心地からは少し外れたジオプレイス内にあり、交通の便が少々不便なのだが仕方がない。
しかし、このGioplaceにしてもDcity(旧・ミリオレ)も、IONCITYも、大淵(テヨン)洞のSPARKも、どうしてこう韓国(釜山)にある複合商業ビルはどこもかしこも閑散として、さびれた雰囲気が漂っているのだろう。立地条件のよしあしは関係ないようだ。Gioplaceはともかく、IONCITYやSPARKは地下鉄の駅のどまん前にあるのだから。
私がこの手のビルに入るのはたいてい、ビル内にあるシネコンに用があるときだけに限られているが、入るたびになんとも言えぬ寂しい気分になり、いたたまれなくなって早くこのビルから出たいと感じる。
この日(11月11日)は日がよかったのか、結婚式を挙げる人が多いようだった。街中でも、リボンやレースフラワーで飾られたウェディングカーを何台も見かけたし、Gioplace内の結婚式会場でも何組ものカップルが式を挙げていた。閑散としたビルの中の、結婚式会場のフロアだけが賑わっていたので、他の部分がより一層さびれて見えた。
さて映画。1人7,000w。本当に安い。早朝割引だと5,000wくらいになる。こんなに安くても、日本同様、映画館離れが進んでいるというのは、日本の高い映画代金を知っている者からすると実にもったいない話だ。
チケットカウンターで何とかいうポイントカードに加入したら、サービスで無料ポップコーンをくれた。よく見るバケツほどもある巨大ポップコーンではなく、適度な大きさ。私たちにはちょうどよい量で、思いがけぬ映画のお供ができた。
館内に入ると誰もいなかった。館内が暗くなっても誰も入ってこなかった。一般的な大きさの上映館だったが、観客は私たち2人だけ。ソウルや釜山でもロケをしているし、韓国人俳優も김강우(キム・ガンウ)や박원상(パク・ウォンサン)、임형준(イム・ヒョンジュン)など出演しているというのに、この人気のなさは・・・。
ちょうど 『늑대소년(オオカミ少年)』 や 『내가 살인범이다(私が殺人犯だ)』、『광해, 왕이 된 남자(光海、王になった男)』、『용의자 X (容疑者X)』 など、話題作もたくさん上映されているのでそれに紛れてかすんでしまっているのかもしれない。
ストーリーは相変わらずハラハラドキドキ。観ているこちらまで緊張しそうな空気だ。渡部篤郎は韓国語のセリフもけっこう多く、相当練習したのだろうなと。最後は、最悪の事態は免れるだろうと何となく分かってはいても、手に汗握るストーリーだった。
渡部篤郎の、目的のためなら手段を選ばないというやり方は相変わらずで、特にラストは 「え~?! そうだったの?」。また、田中泯の凄みのある存在感も強烈だった。特に、渡部篤郎が田中泯に初めて接触しに行ったとき、暗闇の中で田中泯の2つの目だけがギラリと光っていたあの場面は、かなり印象的だった。
撮影は、ソウルや釜山でも行われたと聞いていたが、どのシーンが釜山で撮影されたものだったかよく分からなかった。
せっかく韓国もからんだストーリーなのだから、韓国の人にもたくさん見てもらいたいなと思う。
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