面食家の焼きそば

dilbelau

2012年10月31日 08:38

昨年の夏ごろオープンした 「와타루(わたる)」 というラーメン屋は、オープン当初はあまり客が入っていない様子だったが、そのうちけっこう繁盛し始めたようだった。店の正面がガラス張りなので、外からも店内の様子がよく見えるのだ。

ところが先日、店が取り壊されていた。繁盛していたようだったので驚いた(韓国ではよくあることだが)。その後にすぐ入居したのは 「面食家(면식가=ミョンシッカ)」 という店。見慣れない名前だったが、「海雲台(ヘウンデ)タルマジの有名店がここ南川でオープンします」 というような内容の垂れ幕が、オープン直前に店の前にかかっているのを見て、思い出した。

以前、タルマジに行ったとき、ある店の前に長い行列ができていた。そういえばその店が 「面食家」 だった。確か小さな店で、どうしてあんなに行列ができているのだろうと不思議に思ったのを覚えている。その 「面食家」 のチェーン店がここ南川にもできたのだ。他にも南浦洞(ナンポドン)や、東莱(トンネ)区明倫(ミョンニュン)洞にもチェーン(フランチャイズ?)店があるようだ。

あれほどの行列ができる店はどんな味だろうかと、夫と入ってみた。

「わたる」 のときも店内は狭かったが、「面食家」 は店内のレイアウトをがらりと変えていて、客席部分はさらに狭くなったように感じる。店に入ってすぐ横手に厨房スペースがたっぷりとってあり、通路を奥に進んだところにテーブル(4人がけ)が2つと、4~5人がけのカウンターがある。客が3組も入ったら満席、という感じだ。

メニューは 生麺(スープタイプ・タレをからめて食べるタイプ)や、海鮮チャンポン(普通・激辛)、鉄板焼きそば(海鮮・豚三枚肉)、焼き飯(海鮮・プルコギ・ミックス)など。価格帯は4,500~7,500w。

「激辛海鮮チャンポン(억수로 매운 해물 짬뽕)」 の 「억수로(オクスロ)」 は、「非常に、とても、本当に」 を意味する慶尚道の方言。以前、お隣さんだったオンニがしょっちゅう、「オ~クスロ 何とかかんとか・・・」 と感情を込めて言っていたのを思い出す。

ちょうどテーブル席が空いていたのでそこに座る。真横に厨房があり、中の様子がよく見える。店主らしき男性とバイト生らしき若い女性が調理している。男性は、カンカンカンとリズミカルな音を立てながら、大きな中華なべを振っている。中華なべを振るたびに具が宙に舞い、短時間で加熱されていく。

私たちが注文した삼겹철판볶음면(豚三枚肉の鉄板焼きそば・7,500w)が運ばれてきた。



見た感じは、新世界百貨店地下の食品売り場で食べた 「八先生」 や、もう閉店してしまった 「짬뽕늬우스」 の焼きそばに似ている。麺は平たく細めのきしめんのような感じ。この店自慢の“生めん”だそうだが、食べた感じは米粉の麺のような食感だ。味付けはややピリ辛。唐辛子油かラー油の辛さだろうか。激辛チャンポンは相当辛そうだ。

あっさりめのスープと、キムチ・たくあんがついてくる。



まずまずおいしいのだが、味とボリュームを考えるとこれで7,500wは高めな気がする。これが7,500wなら、7,000wの 「소예(ソイェ)」 の方がかなりいいなぁと。



面食家(면식가)南川店
釜山市水営区水営路466(南川洞)
(051) 992-0503

関連記事