巨大ホンシ
先日夫の同僚が、柿をたくさんもらったからとおすそ分けをくださった。홍시(ホンシ)または연시(ヨンシ)・연감(ヨンガム)とも呼ばれる熟柿だ。よく熟したホンシの皮が赤いことから、홍(紅)という文字がその名に入っている。
日本で一番多く見かける柿は、韓国では담감(タンガム)と呼ばれる。홍시(ホンシ)は담감(タンガム)とは違った種類の品種で非常に甘く、とろとろに軟らかくなった食べごろのものをスプーンですくったり、直接かぶりついたりして食べるのが一般的。
タンガムが甘柿であるのに対し、ホンシは渋柿の一種。もともと韓国の在来種は全て渋柿だそうだ。
柿の渋味のもとは柿に含まれるタンニン。タンニンは水溶性なので、口の中で唾液と混ざって溶けることで渋味が出る。この渋味を抜く(脱渋)には、自然に渋味が消えて軟らかく甘くなるまで貯蔵しておく方法と、温湯脱渋・アルコール脱渋・ガス脱渋・凍結脱渋などの人為的方法があるのだそうだ。脱渋とは、水溶性のタンニンの成分を不溶性に変えることで、タンニンの成分自体を除去するのではない。
『동의보감(東医宝鑑』(1610年頃、허준(許浚=ホジュン)らが記した医学書)によると、ホンシには二日酔い解消や、心臓や肺、消化の機能強化などの効果があるのだそうだ。
さてそのホンシの中でも、夫の同僚がくださったのは대봉시(テボンシ)と呼ばれ、高級品とされるもの。普通のホンシよりかなり大きく甘みも強い。標準的なタンガム(写真左手前▼)の2倍ぐらいの大きさだ。涼しいところに保管すると、より甘く軟らかくなるのだそうだ。
トロトロの甘い実をそのままスプーンですくって食べてもおいしいが、冷凍室で凍らせて食べるとシャーベット状になっておいしいと聞いたので、早速試してみた。
想像以上にガチンガチンに凍ってしまった。食べる前にあらかじめ冷凍庫から出し、しばらく自然解凍しておくべきだったようだ。この時はすぐに食べたかったので電子レンジで解凍していただいた。確かに 「柿のシャーベット」 そのものでおいしかった。しかし何故だか、凍らせずにそのままいただくと感じない渋味がやけに口の中に残った。
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