ここ本当に韓国?! 4
つづき
目についたアパート群の中の商店街を歩いてみたが、チュソク当日ということで、さすがにどこも開いていない。商店街どころか、アパート周辺もしーんと静まり返って人っ子一人歩いていないという感じ。
この辺りではいくら探しても昼食にありつけそうになかったので、また先ほど降りた 「加耶」 駅へ戻り、軽電鉄に乗り込んだ。
かといって、どの駅で降りればチュソク当日に営業している食堂があるかというのは分からなかったので、適当に 「수로왕릉(首露王陵=スロワンヌン)」 駅で降りてみた。
とりあえず、案内板に従って首露王陵方面へと歩いてみるが、駅から首露王陵までの道もことごとく食堂は閉まっている。
その途中見かけた韓服姿の愛らしい女の子。韓服の裾が汚れないよう、両手で持ち上げてそろりそろりと歩いている。弟をおぶって前を歩いている母親にそう教えられたのだろう。
駅から15分ぐらい歩くと
首露王陵に到着。ここは以前、夫の元教え子さんに案内してもらったことがある。ここまで来るとバス通りや繁華街も近い。とは言え、以前来たときに比べるとやはり交通量も人通りもかなり少ない。
何と言ってもチュソク(旧暦のお盆)当日なので、閉まっている食堂や店が多いのは当然だし、またそれぞれ故郷に帰省したりお墓参りに行ったりしているので、人通りが少なく街がガランとしているのも毎年のことだ。それは釜山も金海(キメ)も同じ。
しかし、釜山とは決定的に違うところがあった。それは街じゅうに、やけに外国人の姿が多いことだ(韓国に住んでいれば同じく外国人である私が 「外国人が多い」 というのもおかしなことだが)。
釜山では、いかにも学校や学院(塾)で英語を教えているらしい欧米系の外国人の姿はよく目にするが、ここ金海には一見しただけでは国籍が推測しにくい外国人がかなりたくさんいた。それも10人ぐらいずつかたまって、街のあちこちにたむろしている。互いに楽しそうにおしゃべりしているグループもあれば、何をするでもなく道端にたたずみ、道行く人たちを眺めているようなグループもあり、なんとも言われぬ雰囲気だ。
韓国人らしき人はほとんど見かけず、すれ違う人や見かける人の8~9割がそういう外国人。しかもほとんどが男性。ここは本当に韓国だろうかと思うほど。どこか外国に来てしまったような錯覚を覚える。近くにある工場などで働いている出稼ぎ労働者だろうか・・・。
また、昼食を食べる食堂を探して歩いていると、多国籍のレストランもかなり多いことに気付く。モロッコ料理、インド料理、インドネシア料理、ハラル料理、他にもどの国の料理か分からない(文字が読めない)店も多数。ここは本当に金海??
そういう多国籍のレストランは、チュソクとは無関係なのでどの店も営業している。おいしそうな匂いが漂ってくる店もあり、入ってみようかとも思うのだが、店先に外国人男性がたむろしていてちょっと入りにくい雰囲気だったり、またもし入ってもメニューも全部外国語で韓国語も通じないという状況だったら困るな、などと気後れしてなかなか入れない。
そして、お、珍しく韓国料理店で営業している店があるぞと思って中をうかがうと、狭い店内ではおじさん・おばさんがかなりいい調子に酔っ払って盛り上がっており、これまた入れそうな雰囲気ではない。
ようやく1軒、営業しているカルビタンの店のを見つけた。店は建物の2階にあるので店内の様子が分からないが、少なくとも韓国語が通じ、どんな料理かも分かっているので困ることはなかろう。何よりおなかがペコペコだ。2階へと通じる細い階段を上がった。
つづく
関連記事