ソンジクッ

dilbelau

2011年09月12日 08:53

先日、夫と久しぶりに 「선지국(ソンジクッ)」 を食べに行った。牛の血(ソンジ)を凝固させたものが入っているスープで、2日酔いのときに飲むとよいとされる해장국(ヘジャンクッ)の1つだ。

向かったのは家の近所にあるソンジクッ専門店 「釜山名家 부산집(プサンチッ)」。飲食店にしては珍しく、朝に店を開いてお昼過ぎには閉店する。専門店だけあって、メニューはソンジクッ(6,000w)1つだけだ。席に座ると 「2人分ですね~」 とニコニコ優しい笑顔のおばさんが対応してくれる。席についてほんの2~3分で料理が運ばれてくる。



主役のソンジクッとご飯の他に、白菜キムチ、大根のコチュジャン和え、豆腐チゲ、青唐辛子が出てくる。ソンジクッの具は、ソンジは大きめの塊が2つと牛スジ、大根・豆もやし・ネギなどの野菜だ。赤っぽい塊がソンジ(▼)。



牛の血を固めたものというと抵抗を感じる人も少なくないと思うが、食べてみると生臭さは全くなくほぼ無味無臭。寒天ゼリーのような食感だ。鉄分をはじめ栄養豊富、しかも低カロリーなので美容食として韓国では女性にも好まれる。

昔は家畜が今よりももっと貴重だったため、1頭の家畜をほふると肉だけでなく内臓や血液まで全て無駄にすることなく利用していた。牛肉の血はソンジクッに、豚肉の血や腸はスンデに・・・と、文字通り捨てる部分はなかったそうだ。

スープは全く辛くなくコショウの味がきいている。おいしくいただいていると、店内の他の客が 「混ぜて食べるやつ下さい」 と店員さんに言っているのが聞こえた。すると店員さんはピビムパ用の銀色の器と、ソースのようなものをテーブルに持っていく。

それをどうするのだろうと思ったが、ジロジロ見るわけにもいかないので帰宅後調べてみると、ソンジクッをピビムパにして食べるのもまた格別のおいしさなのだそうだ。

まず器にご飯とおかず(キムチや大根のコチュジャン和えなど)を入れ、そこにソンジと豆もやし、豆腐チゲを入れて全体をよく混ぜて食べるのだ。味付けとしてコチュジャンやごま油(店員さんが運んでいたソースのようなものの正体)を適宜加えて食べる。

豆腐チゲはそのままで食べると塩気が強いが、混ぜて食べるときの味付けにはちょうどよいようだ。ソンジが細かいかけらになるまでよくよく全体を混ぜるのがポイントなのだそうだ。次回は是非この食べ方も試してみたい。

店内にはたくさんの色紙が。マスコミ関係者や有名人も訪れているようだ。中に、허남식(許南植=ホ・ナムシク)釜山市長の色紙もあった。





釜山名家 부산집(プサンチッ)
釜山市水営区南川1洞
(051) 623-1074
営業時間:火~土曜日=8~14時、日曜日=8~13時
定休日:月曜日

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