連日暑い日が続く釜山。週末の午前中は、いつものスタバで涼みながらゆっくり読書などを楽しみ、お昼は何か麺類でもと、最近近所にできたお店に夫と向かった。
「부송국수」 という名のお店は、麺類専門のチェーン店のようだ。店構えもまだ新しいし、働いている店員さんたちもどことなく初々しい感じがする。店内は、外から見るより意外と広い。
メニューは、잔치국수(チャンチククス=3,500w)、비빔국수(ピビムククス=4,000w)、묵국수(ムッククス=4,000w)、냉국수(冷やしククス=4,000w)、냉비빔국수(冷やしピビムククス=4,000w)、냉묵국수(冷やしムッククス=4,000w)、콩국수(コンククス=4,500w)。김밥(キムパッ=海苔巻き)は1,500wだ。
私は、냉국수(冷やしククス=4,000w)を。
スープが半ばシャリシャリに凍るほど、キンキンに冷やしてある。麺はそうめんぐらいの太さだが、そうめんよりはコシがある。具は、열무김치(大根の間引き菜のキムチ)だろうか、しゃきしゃきとした歯ざわりの葉野菜に、きゅうり、たまねぎなど。
麺の上に添えられているヤンニョム(調味料)の中に、小口切りの青唐辛子が入っており、これがなかなかパンチのある辛さだ。ネギの小口切りと見間違えて、口の中で噛んでしまったときには、火が出るほど口の中が燃え上がる。
また、注意して青唐辛子が口の中に入らないようにしていても、スープに青唐辛子の辛さが移っており、スープをいただくだけでも、口の中がヒリヒリしてくる。
スープ自体は冷たいのだが、辛さのために口の中がかっかするという、何とも不思議なスープだ。
また、夫が注文したのは잔치국수(チャンチククス=3,500w)。
チャンチククスとは、結婚式や誕生日、還暦のお祝いなどのとき、細長い麺のように長く生きられますようにとの願いを込めて、お客様をおもてなしする麺料理。ゆでた麺の上に、고명(装飾を兼ねたヤンニョム)をのせ、ジャコでとったダシを注いで作るそうだ。
こちらも同じく青唐辛子が入っているためヒリヒリと辛いそうで、スープが熱いためなおさら口の中がかっかするようだ。どちらのククスも見た目よりボリュームがあり、けっこうおなかいっぱいになる。
また、この店ではどの麺料理でも、この金色のアルミ鍋のような容器に入って出てくる。店名の 「부송국수」 の横に書いてある 「王家네 양푼국수」 という言葉を調べてみると、「양푼(ヤンプン)」 とは 「食べ物を入れたり温めたりするのに使う、真鍮製の口の広い容器」 だとある。
つまり、「王家네 양푼국수」 とは、「真鍮製の器に入れられた王家の麺料理」 ということだろうか。
真鍮の器は見た目には美しいが、重いし傷が付きやすいなどという扱いにくさもある。この店で使っていたのは本物の真鍮の器ではなく、色が真鍮に似た軽量の素材を使ったアルミの器だと思われる。雰囲気だけでも ”王家の麺料理” を、ということらしい。
부송국수
(051) 611-9389