'09.12.9(水)美人ギタリスト アナ・ビドビッチ

dilbelau

2009年12月09日 21:14

さて、いよいよコンサートの時間が近づいてきた。
日本にいたときより釜山に来てからの方が、コンサートや演劇などをよく観に行くようになった。家からそう遠くない場所にコンサートホールや文化会館などがいくつかあるせいか、気軽に行ける。

この日観に行ったのは、クラシックギターのコンサート。
クロアチア出身の女性ギタリスト、アナ・ビドビッチだ。



彼女のコンサートのことは、コンサート会場である釜山文化会館のHPを夫が見ていてたまたま見つけたもので、この日まで彼女がどんな人なのか、どんな演奏をするのか2人とも知らなかった。開演時間もちょうど適当だし会場も近いので、じゃあ行ってみようと当日(12/6)になって行くことを決めたコンサートだった。

会場は釜山文化会館の小劇場なのでステージと客席が近く、間近で演奏を聴くことができる。
ステージ上には椅子と足置きが置いてあるだけ。
やがてアナ・ビドビッチがステージ上に現れる。優しい薄黄色のドレスを着た彼女は、肌が透き通るように白く端正な顔立ちで、女性の私でも見とれてしまうほど本当に美しい。

教えてもらった韓国語を書いた紙を見ながら、ややはにかんだ表情で韓国語で挨拶する。
韓国での公演は今回が初めてではないそうで、「また韓国に来られて嬉しい」 と言っていた。また今回の公演も、この日の釜山公演に先立ち先月末から、ソウル・天安・大田・大邱の各都市を回ってきたそうだ。

まずは、ビートルズの ”Yesterday” や ”Over the Rainbow” など、多くの人によく知られている曲から。
これはこれでよかったのだが、その後続く曲の数々の方が、私には初めての曲ばかりではあったが彼女が彼女らしく生き生きと演奏しているように思えて、胸に迫ってくるものがあった。

私はギターを弾いたことも、それまでクラシックギターのコンサートに行ったこともないので、演奏技術的なことは何も分からないがそれでも、迫力があってそして爽やかで、聴く人をひきつけてやまない演奏だということは感じられる。学生時代からギターを楽しんでいる夫も、彼女の演奏を絶賛していた。

アナ・ビドビッチ氏。

ギターを始めたのはわずか5歳のとき。7歳で初舞台を踏み、11歳のときには国際的な公演に参加し、13歳でザグレブの名門音楽学校である National Musical Academy に最年少で入学し、師匠である Istvan Romer 教授に師事したのだそうだ。

そして、1988年のデビュー公演から現在まで、世界各地で1000余回の公演を行ってきたのだそうだ。
ロンドン・パリ・ウィーン・ザルツブルグ・ローマ・ブダペスト・ワルシャワ・テルアビブ・オスロ・コペンハーゲン・トロント・ボルティモア・サンフランシスコ・ヒューストン・オースティン・ダラス・セントルイスなど・・・。

まだ20代前半に見える一見初々しい印象の彼女だが、一旦演奏を始めると自信に満ちた堂々とした姿に見えるのは、これまでの彼女の努力と経験に裏打ちされたものなのだろう。

演奏を終え、アンコール曲に応えてもまだ拍手が鳴り止まず、再びステージ上に現れた彼女。
「では、先ほど演奏した曲 『アルハンブラ宮殿の思い出』 をもう一度演奏します。先ほどは、音響の不調のため雑音が入ってしまいましたので・・・」 と。確かに演奏中、短い間ではあったが、マイクがブオーンとハウリングするような不快な音がしていた。(マイクは使っていなかったのに)

その雑音のため、充分に演奏を楽しんでもらうことができなかっただろうからと、再び同じ曲を演奏してくれたのだった。プロ魂だ。

公演終了後には、ロビーには観客たちが長蛇の列を作っていた。彼女がサイン・写真撮影のファンサービスのため、楽屋から出てくるのを待っているのだった。



やがて先ほどまでのステージ衣装から、私服に着替えた彼女が登場。どんな服を着ていても、美しい人はやはり美しい。





たまたま見かけて行ってみようと気軽に行ったコンサートだったが、素晴らしい演奏を聴かせてもらい(また目の保養にもなり)いい時間を過ごすことができた。

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