'09.5.26(火)チャキチャキ母さん

dilbelau

2009年05月26日 21:29

よく晴れた爽やかな天気。
自転車に乗って、いつもの八百屋へ向かう。

行きつけのこの八百屋さん、父・母・娘・息子の4人を中心にした家族経営。売り場は、明るくてとても気さくなチャキチャキ母さんと、私と同い年ぐらいの美人の娘が担当。バイクで品物を配達するのは、シャイな笑顔が素敵な父さんと声優のような声の息子の担当。そして、店先で売り物の野菜の管理をしているおばさんたち。

新鮮な野菜がとても良心的な値段で買えるし、おまけもたくさんしてくれるし、大変気に入っている。たまにこの店が休みでやむなく違う店で買うときがあるが、私にはやはりこの店が一番。

この店がいいと思うのは当然私だけではないようで、夕方などに行くと広くはない店内が買い物に来たおばちゃんたちで非常に混みあっている。

スーパーのように必要なものをカゴに入れてレジに持っていくわけではなく、売り場担当のチャキチャキ母さんか美人娘をつかまえて、何がどれだけ必要か 「申告」 しなければならない。

それぞれに値段が書かれているわけではなく、また同じ物でも市場価格によって多少変動があるので、店の人に計算してもらわないとならないのだ。

「ジャガイモを1キロと、キュウリを1000ウォン分と、このレンコン1本」 などと申告し、チャキチャキ母さんか美人娘に重さを測ってもらったり、袋に入れてもらったりせねばならない。

そして、店内に複数いる客のうち、誰がより早くその申告を聞いてもらうかは、「タイミング」 のみ。

「店に入ってきた順」 などではなく、「ある程度の迫力を持って母か娘をつかまえて申告した者」 や 「『ちょっと~、急いでるんだけどぉ~、計算してよぉ』 などとアピールした者」 が、優先的に申告を聞いてもらえる(らしい)。

私は上記のどちらのワザもまだ身についていないので、ひたすら 「タイミング」。
それに母や娘も、勢いのある客にはそれなりに対応しながらも、なかなか申告するタイミングをつかめないでいる静かな客にも、適度に目を配ってくれていて、「今日は何にする?」 と声をかけてくれる。

なので、タイミングが悪いと(または、迫力のあるおばちゃんがたくさん買いに来ていると)自分の会計が終わるまで時間がかかる日もあるが、それでもスーパーで買うよりはるかに安いし新鮮。何より、母や娘、他のお客さんとの会話が楽しい。

さて、前置きが長くなったがこの八百屋、原則として定休日は日曜日。
そしてまとまった雨が降っている日も、店先に野菜や果物を並べられないので休み。

しかし、それ以外にも突発的に予告なしで休むこともある。
今日も、いろいろ買いたいものがあって行ったのだが、店のシャッターが閉まっている。

ガーン…。たくさん買いたいものがある日に限って…。

と、泣く泣く違う店に行こうとしてふと目に留まった張り紙。
なになに?移転した?30m先 〇〇アパート向かい?

矢印の先に見えたのは、数ヶ月前から工事していた建物。老朽化していた建物を取り壊していると思ったら、あれよあれよという間に新しい建物ができあがっていて驚いたのだが、その1階部分に移転していたのだった。

もとの店よりもはるかに広くなった売り場。新しい建物なので当然ながら、壁もどこもかしこもきれいで雰囲気ががらっと変わった。もとの店は通路も狭くて通りにくかったのだが、これなららくらく店内を歩ける。



あらためて見ると、店内に並べてある商品は前の店のときと同じなのだが、よくこれだけの品物をあのスペースに陳列してあったなと感心するほど。前の店内(↓↓)と比べると、非常にすっきりした。



私がチャキチャキ母さんに、いつ移転したのかなどと尋ねていると、それを聞いていた他のお客さんが 「店を広げたのにお餅もふるまってくれないで…!」 と冗談交じりに文句を言う。すると、

「するわよ、するわよ。あそこ見て。カレンダーに〇つけてあるでしょ。6月11日。その日にお餅をたっぷりふるまうから来てちょうだい」

韓国では、このように店を拡張したり移転したりしたときや、あらたに開業したとき、そして個人の引越しの際にも隣近所の人々に挨拶がわりとして、お餅を配る習慣がある。

「あなたもお餅もらいに来なさいよ!」 と言いながら、チャキチャキ母さんは今日もずいぶんおまけしてくれた。

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