さて、いよいよ楽しみにしていた 『レ・フレール』 のピアノコンサートの日。
釜山博物館30周年特別展を記念して、在釜山日本総領事館が企画した3つのイベントのうちの1つ。
釜山文化会館大ホールにて、19:30~21:00。
『 日本で大人気の兄弟ピアノデュオ「レ・フレール」による初の来韓公演。
1台のピアノを2人でダイナミックに操る独自のプレイスタイルで韓国中を感嘆させます。』 との前評判。
私たちは今回初めて知ったが、『 日本で大人気の兄弟ピアノデュオ』 ということで、会場には日本人の姿もたくさん見かけた。
開演前の会場。ステージ中央にピアノが1台、背後にはスクリーン。
やがて開演。
2人が挨拶をし、椅子に座って鍵盤に手をかけるや否や、すごい迫力に圧倒された。私と同じ10本の指だけで弾いているとは思えない、まるで指を100本ぐらい自在に操っているような感じ。人間業とは思えないような素晴らしさに、ただただ圧倒される。
その場にいた観客すべてが、そんな思いで聴き入っていたのではないだろうか。
全15曲を休憩なしでぶっ通しで弾き続ける。途中、2人のうち1人が舞台袖に下がり、1人で演奏するということはあったが、全体としての休憩はなし。
楽譜なしで弾いていることにはじめは驚いたが、楽譜どころか鍵盤さえもあまり見ないで弾いている。これほどまでに楽しそうに、ピアノで曲を奏でることが楽しくて楽しくて仕方ない、と全身で表わしながら弾いているのは、今までに見たことがない。
もはやピアノの音色ではなく、何か言葉を聴いているような、ピアノそのものが歌っているような、そんな錯覚に陥る。
背景のスクリーンにアップで映し出される、鍵盤を弾く2人の手元はまさに「神業」。しかも並んで座った2人は、ただどちらかが高音担当、どちらかが低音担当、というように決めているのではなく、座る位置を入れ替わったり、相手の腕をまたぐようにしたりしながら、鍵盤の上で指を躍らせている。
ほんっとうに素晴らしい!!!
彼らの演奏はブギピアノというジャンルだそうで、多くの曲はアップテンポでリズミカル。観客もほぼずっと手拍子しっぱなし。私もコンサートが終わった時には、手をたたき過ぎて手のひらがかゆくなったほど。
そんなアップテンポな曲に混じって、静かにしっとりと聴かせる曲も。
最後にはアンコールに2曲も応えて演奏してくれた。最後の最後に弾いてくれたのは、アリランを軽快にアレンジした曲。観客の韓国人たちは「ア~リラン」と口ずさんでいた。
また挨拶や、演奏曲の紹介などはすべて韓国語で。カンペを見ながらまだ習って間もないのであろう韓国語で話すと、客席からは大きな拍手が。
彼ら、横須賀出身の斎藤守也さん(兄)と斎藤圭土さん(弟)は、それぞれ12歳、6歳でピアノを習い始め、兄弟ともにルクセンブルグ国立音楽学校に留学していたそうだ。
『レ・フレール』 のオフィシャルサイト↓↓ ちなみに 『レ・フレール』 というのは「兄弟」というフランス語だそうだ。
http://lesfreres.jp/top.html
開演と同時にステージにくぎ付けになり、1時間半が経過したというのがウソのようにあっという間だった。
もう、素晴らしい!!! という以外に言葉がない。
1曲目を聴いているときから、これは買わねばなるまいと心に決めていたCDをロビーで購入。今日演奏した曲目がほとんど入っていて全15曲。これで14000ウォンは非常にお買い得。
「日本で大人気」というのも納得できた。「日本で」というより、彼らの演奏は一度聴いたらその人の心をつかむこと間違いなし! というぐらいの素晴らしさ。世界的に愛されるピアノデュオになることだろう。
いや~、本当~に素晴らしかった (^^)