2011年08月02日

お誕生日のお餅

ある週末の朝、ピンポーンと玄関のベルが鳴った。以前オンニが住んでいたのと反対側のお隣のママさんだ。背中には3人兄弟の末っ子の男の子をおぶって、隣には一番上の男の子が立っている。

「これ・・・」 といつもの笑顔で。

手には 「수수팥떡」 というお餅。このママさんからこのお餅をいただくのはもう何度目だろう。「수수(スス)」 は 「もろこし」 で、「팥(パッ)」 は 「小豆」、「떡(トッ)」 はお餅なので、日本語にするとしたら 「もろこし小豆餅」 だろうか。

お誕生日のお餅

その名の通り、もろこしと小豆を使って作るお餅だ。もち米粉・小豆の粉・もろこしの粉・砂糖を練り混ぜて形作ってゆでたお餅の表面に、そぼろ状のあんこをまぶしてあるのだ。

韓国では子供の誕生日にこのお餅を食べる習慣がある。돌잔치(トルジャンチ)という1歳の誕生日祝いの席にも欠かせないもので、その後も10歳の誕生日までは毎年必ず食べるのだそうだ。

子供の誕生日にこのお餅を食べるのには、意味がある。
昔、まだ現在ほど医療が発達していず乳幼児の死亡率が高かった時代、子供にふりかかる厄を払い、健やかに育ちますようにという願いを込めて作ったのがこの 「수수팥떡」 だったそうだ。(韓国でも小豆は厄除けの意味を持つ)

昔は各家庭でお母さんが心を込めて作ったものだそうだが、現代では餅屋で買って食べるケースも増えているとか。

お隣さんには男の子が3人いるのだが、それぞれの誕生日にこのお餅を作り(買い??)、毎回我が家にもおすそ分けをしてくださるのだ。今回は末っ子の男の子の1歳のお誕生日だったそう。当の本人はお母さんにおぶわれて、少し眠かったのかやや不機嫌そうな顔でお母さんの肩越しにこちらを見ていた。

付き添いで(?)で来た長男のボクは、私が嬉しそうにお餅を受け取るのを満足そうな表情で見ていた。そして 「これはちょっと味がどうだか分からないんだけど・・・」 と差し出してくれたのはチャプチェ。作りたてらしくまだ温かい。

お誕生日のお餅

同じくお誕生日のお祝いのメニューとして作られたのだろう。とてもおいしかった。お餅も甘さ控えめでとても柔らかくておいしかった。ママさん、ご馳走さまでした。

この日、夜には 「생일 축하합니다~(ハッピーバースディートゥーユー)♪♪」 という歌声が聞こえていた。ケーキを囲んで家族みんなでお祝いをしていたのだろう。

ちなみにこの1歳の男の子、ついこの間まで 「赤ちゃん」 のようだったのにすでに1人で歩いている。歩くたびにピュッピュッとかわいい音が鳴る靴を履き、そのピュッピュッの音がうちに近づいてきたなと思うと、夏場は網戸にしてある玄関から不思議そうにこちらを見ている。ママさんに 「이리 와(こっちに来なさい)」 と言われても、じっと立ってこちらを見ている。やがて一番上のお兄ちゃんに手を引かれてピュッピュッピュッ・・・と連行されていく。とても可愛らしい。


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