噂の朝食 6

dilbelau

2013年07月31日 16:59

つづき

お茶博物館を出ても、まだ雨は激しく降り続いていた。後で聞いたところでは、ソウルはこの日を含めて連続12日間、雨が降ったそうだ。友人に、地下鉄1号線の종각(鐘閣=チョンガッ)駅まで案内してもらい、またの再会を楽しみにしつつ、別れた。

鐘閣駅から3つ目の南営駅で下車、無事、「ゲストイン春海」 にたどり着いたときには足元はびしょ濡れ。雨の洗礼を受けたソウルの夜だった。

快適な部屋でぐっすり眠り、翌朝、すっきり目覚めた。夜の間も雨は激しく降っていたようだが、朝には小雨になっていた。朝食の時間は7:30~9:00と聞いていたので、8時頃、1階の食事場所へ下りて行った。

台所では春海さんが調理するのを、下のお嬢さん(高3)も手伝っていた。おいしいと噂に聞いて楽しみにしていた朝食(▼)。心のこもった家庭料理だ。これが無料でいただけるとは実にありがたい。


エホバッのジョンはお嬢さんが焼いてくれたもの。左のチゲはスンドゥブ。どれもとってもおいしかった。春海さんのご実家は韓国海苔のビジネスをしているそうで、現在も春海さんのお名前が入った 「春海のり」 を販売しているそうだ。朝食にも出ていたが、あっさりしていておいしかった。

春海さんは、全国的にも料理がおいしいことで知られる全羅道(チョルラド)のご出身。曰く 「釜山と安東(アンドン)は料理があまりおいしくないの。いえ、私だけがそう思ってるんじゃなくて、韓国では一般的にそう言われてるんですよ。食堂で出される料理はそうでもないかもしれませんが、家庭料理の味としてはあまりおいしくないと言われてます」。

私は釜山で5年半暮らしていて、食堂で食べる料理も、友人に招かれていただく家庭料理もどれもおいしいと感じている。しかし以前にも、釜山以外の出身の友人からも、「釜山は食べ物がおいしくないから」 と聞いたことがある。

春海さんは 「一度是非、全羅道をゆっくり旅行してみてください。いいところですよ。春か秋がいいですね」 とおっしゃっていた。是非、全羅道を旅してみたくなった。

また、希望者は春海さんが朝食の準備をするとき、説明を聞きながら料理の手順などを見て学ぶこともできるのだそうだ。「わざわざ料理教室という形にすると、そのための食材も時間も必要だけど、私が朝食を作るのを見てもらいながら説明すればそれを実際に食べてもらえるし、その方が手軽でいいかなと思って」。

なるほど、いいアイデアだ。

さて、大変おいしい朝食をいただいたら、お部屋の移動。電話予約したときから、1泊目はベッドの部屋、2泊目はオンドル部屋になると聞いていた。1泊目は最後の空室だったそうだ。朝食後、すでに2泊目の部屋が用意できていることだったので、お引越し。

棚の上に布団を置いているところなど、韓国映画やドラマでよく見る光景だ。


一部のオンドル部屋の中には、バスタブのない部屋もあるそうだが、この部屋には大きなバスタブがついていた。手足を伸ばしてゆっくりくつろげる。

つづく

関連記事