『ソウルは今日も晴れのち嵐』

dilbelau

2011年04月15日 21:47

創業50年以上の歴史を持つ店 「마라톤집(マラトンチプ)」 に案内してくださった大西憲一さんは、昨年7月 『ソウルは今日も晴れのち嵐』 という本を出版された。1983年から4年間の釜山、1994年から現在に至るまでの17年間、通算21年にも及ぶ韓国生活をされ韓国や韓国人について知り尽くされた方だ。

もともと 『東洋経済日報』 に連載されていたエッセイをもとにまとめられたのが、この本だ。



大西さんとは 「マラトンチプ」 で初めてお目にかかったのだが、実はその少し前、夫と私は偶然 『東洋経済日報』 に掲載されていた大西さんのエッセイを読んでいたのだ。その中の 「私は釜山の海岸沿いにある、築30年以上の老アパートに住んでいる。」 というくだりを読んで、もしや私たちの住んでいるアパート群のことかしらと夫と話していたところだったのだ(実際には違ったが)。

近くにお住まいだという親近感もあり、また大西さんの実に豊かな表現力とユーモアセンスのある文章にひかれ、『ソウルは今日も晴れのち嵐』 も是非読んでみたいと思っていたところだったのだ。

その数日後にあるご縁で大西さんと夕食をご一緒することになったので、どこでその本が手に入るのかお尋ねしてみようと思っていた。すると何と大西さんが夕食の席に1冊持ってきてくださっていたのだ。今までに 『東洋経済日報』 に掲載されたエッセイ数編とともに。

遠慮なくいただき、大喜びで持ち帰って早速夫と拝読した。20年以上も韓国人と深く付き合い韓国について見つめ続けてきた方だからこそ描き出せる世界。深く濃い内容ながら、軽快なタッチでさらりと書かれているのですらすらと読み進み、大西さんの描く “コリア・ワールド” に引き込まれる。どのエッセイも思わずふきだしてしまうようなオチもあり、とても楽しく愉快な本だ。

大西さんの韓国や韓国人に対するまなざしからは、深い愛情が感じられる。私はまだ在韓歴3年だが、これからも大西さんのようにいろいろな面をひっくるめて韓国を丸ごと楽しみながら毎日を過ごしていきたいと、あらためて感じさせられた本だった。

大西さん、どうもありがとうございました。

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