感激のおいしさ! 絶品スープ

dilbelau

2010年06月16日 18:25

つづき

さて、テーブルに運ばれてきたのは、あちこちにボコボコとへこんだ跡があって年季を感じさせる、まるで大きな洗面器のような器。持ち手がないので、本当に洗面器かタライのように見える。中には、メニューの名前どおり 「鶏が一羽」 とスープ・その他の具材。



私が写真を撮ろうとしているのに気付いた愛想のいいおばさんが 「写真を撮るなら、ちょっと待って」 と、何やらスープの中をトングで探っている。

スープの中に隠れていた殻つきのあわびと、朝鮮人参を探し出して鶏の上にのせる。「せっかく写真撮るなら、こうやって撮るといいわよ」 と。そして上のような写真(▲)の状態に。

鶏はテーブルに運ばれてくる前に、すでに丸ごとのまま煮てほぼ火が通っているようだが、テーブルの上でおばさんが切り分け、その後コンロの火をつけてしばらく煮ることで中まで完全に火が通る。キッチンバサミで豪快にぶつ切りにしてくれる。ついでに火が通りやすいよう、また食べやすいように切り込みも入れてくれる。実に慣れた手つきだ。





洗面器のような鍋にフタをしてぐらぐら煮て、食べごろになったところ(少し食べたところ)(▼)。



店のおばさんが、「うちはスープがおいしいから飲んでみて」 とおっしゃいながら、お皿に注いでくれたスープは本当においしかった。なんとも言えない滋味あふれる味だ。テーブルには各自好みの味に整えられるように岩塩も運ばれてきているのだが、このスープはもうこれ以上何も手を加えなくても、いや、何も手を加えない方がおいしいと思う。

いいおだしが出ていてコクがありつつもさっぱりしていて、お皿のスープを飲み干してもまたすぐ飲みたくなるような、後を引くおいしさだ。

おばさん曰く、この店ご自慢のスープはいろいろな材料を使っているのだそうだ。例えばどんなものを使っているのかと尋ねる私に、「엄나무(オムナム)でしょ、何とかでしょ・・・」 と。「엄나무(オムナム)」 とは初めて聞いたのだが、日本語でハリギリ(針桐)という植物だそうで、おばさんが 「あれのことよ」 と指し示してくれた先にあったのがこちら(▼)。



その名の通り、針のような鋭いトゲが無数についている。この木の芽はタラの芽に似た形で、タラの芽同様 山菜として食用にされるのだそうだ。

他にスープに何が入っているのか全部は覚えていないが、身体にいいものがたくさん入っているのだと、笑顔で教えてくれた。

さて、鶏・ジャガイモ・가래떡(カレトッ=白い棒状のお餅)などの具は、このタレ(▼)につけていただく。



醤油や酢・ニンニクのすりおろし・コチュジャン・ニラ・青唐辛子などの自家製タレ。よく混ぜていただく。鶏やジャガイモのあっさりした味に、しっかりした味のタレがよく合う。青唐辛子を口に入れてしまわなければ、辛くはない。

鶏肉の脇役は、こちら(▼)。



キムチ・カクトゥギ・青唐辛子・ニンニク・タマネギ・鶏の砂肝。どれもおいしいのだが、中でもキムチはどちらかというと日本の白菜漬けのようなお味。辛くなくて、程よい塩加減とシャキシャキの歯ざわりがおいしくて、どんどん箸が進む。

鍋の中の具をすっかりいただいたら、うどんを入れて食べるか、またはご飯を入れて雑炊風にすることもできる。私たちは사리(麺)を1人分(1,000ウォン)だけ入れてもらっていただいた。うどん麺は平たい麺で、しこしことコシが強くて私好みだ。おいしいおいしいスープも一緒に、ぺろりといただいた。



非常においしい 「鶏一羽」。いい店を見つけた。ご馳走さまでした。

명동 닭 한마리
釜山市南区大淵2洞 1764-4
(051) 636-2834

関連記事