一緒に
フグを食べに行った韓国人お二人のうち女性のPさんが、「もうすぐクリスマスだから、これ・・・」 と持ってきてくださったのは、素敵な手作りのプレゼント。
写真右の水玉模様の細長い袋の中にはボールペン。ボールペンをプレゼントらしく ”ドレスアップ” させるために、わざわざこの袋を作ってくださったのだそうだ。
中央の赤いリボンがかかっているもの。中には石鹸が入っているのだが、このリボンを解いて包みを押し広げるようにすると、
小物入れになるのだ。アクセサリーや文具類など、こまごまして散らかりやすいものを入れて使ってくださいね、と。
このPさん、以前私にやはり手作りの
手首ウォーマーをプレゼントしてくださった方。
「市民世界文化教室」 の毎週の授業に着ていらっしゃる服も、たいていはご自身で縫ったり編んだりして作られたものだった。毎回大変素敵なものだったので、次はどんな服を着ていらっしゃるのだろうかと、楽しみになるほどだった。
手芸やこういったこまごまとした作業がお好きなのだという。
また手先の器用さに加えて、もう一つ特技がおありなのだ。
それは何と、「韓国語の俳句」。
『韓国俳句研究院』 というのが慶州にあるそうで、その研究院の研究員のお1人なのだそうだ。
以前いただいた名刺にも、漢字で 『韓国俳句研究院』 と書かれてあり、一体どんな俳句なのだろうと不思議に思っていたら、ご自身が詠まれた句をまとめた書類を見せてくださった。
見せていただくと、まさしく 「韓国語で詠んだ俳句」。
日本語の俳句と同じく、「五七五」 の字数で詠み、またこれも日本語と同じく 「季語」 や 「切れ字」 を使うのだそうだ。
韓国語の俳句があるなんて今まで知らなかったと言う私に、韓国語だけでなく、今や俳句は世界各国の言葉で詠まれ、もはや日本だけのものではないのだと。
日本語の俳句もそうだが、当然韓国語の俳句も限られた字数の中で表現しなければならない。
いくつかの作品を見せていただいたが、その 「五七五」 という制限された文字の中に季節が感じられ、またその状況が心に浮かんでくるかのようだった。
3年前の俳句大会では、Pさんの作品が何と大賞(最高賞)を受賞したのだそうだ。
そのときの作品。
「배고픈오후 눈으로먹는다네 이팝나무꽃」
直訳すると 「空腹の午後 目で食べる ヒトツバタゴの花」
「이팝나무(ヒトツバタゴ)」 はモクセイ科の落葉高木で、白い小さな花が枝々にまとまって咲く。
「花にご飯を連想し、貧しい時代にも思いをはせた作者の人間としての年輪を感じさせる。自然と対話しなければ生まれない作品」(郭院長)と高い評価を得たのだそうだ。(西日本新聞2006年12月25日記事より)
別名 「ナンジャモンジャ」 と呼ばれる 「ヒトツバタゴ」。
真っ白い花は言われて見れば、なるほどご飯粒を連想させる。
「俳句は痴呆予防にいいのよ。数も数えなくちゃいけないし、季語を入れたりといろいろ頭を使うから」
なるほど、確かに季節のうつろいにも敏感になるだろうし、感性のトレーニングにもなるだろう。
私も韓国語の俳句にチャレンジ??
Pさん、ありがとうございました。大切に使います。