成功を祈って 2
つづき
さて、「人生をかけた」 試験を受ける受験生のために、家族や友人、後輩などは応援の意味を込めてプレゼントを贈る。プレゼントに選ばれるものとして、合格に関連する言葉にかけた品物が多い。
1.엿(飴)、찹쌀떡(餅)、풀(糊)など
「붙다(プッタ)」 という動詞は 「つく、くっつく」 などという意味の他に、「대학에 붙다」 (大学に合格する)という意味もあるため。엿(飴)はいわゆるキャンディーではなく、もち米やとうもろこし、アワ、サツマイモなどを原料にした、歯によくくっつく軟らかいタイプの飴のこと。
この飴を、試験会場となっている学校の門に祈りを込めてくっつける親も。昔は、試験会場の学校ではなく、志望校の門にくっつけることも多かったのだそう。(▼試験会場の学校の門の外で祈る母親たち。写真下の方に見える白っぽい塊が엿。写真は 「연합뉴스」 より)
2.포크(フォーク)
「찍다(チッタ)」 という動詞には 「刺す、突き刺す」 という意味があり、いくつかの選択肢の中から正解をうまく突き刺す(選ぶ)、という意味で。本物のフォークのほか、キーホルダーのようになったものも。
3.휴지(トイレットペーパー)
「トイレットペーパー(ティッシュ)で鼻をかむ」 という韓国語 「휴지로 코를 풀다」 の 「풀다(プルダ)」 に、「(問題を)解く」 という意味もあるため。
4.거울(鏡)
「見る」 という意味の韓国語 「보다(ポダ)」 は、「시험을 보다(試験を受ける)」 という意味もあるため。「鏡をよく見る」 と 「試験がよくできる」 をかけたもの。
などがある。最近ではもっと実用的なものを贈ることが多いようだ。人気なのは、現在時刻とともに試験の残り時間も表示されるデジタル腕時計や、数学の公式がプリントされた枕カバー(眠っている間に公式が頭に入る?!)、リラックスできるようにアロマなどだそう。
また試験当日の朝は、会場入りする先輩たちを応援する後輩学生の姿も多数見られる。(▼写真はいずれも 「연합뉴스」 より)
そしてこのスヌンが終わると、親同伴(手術には親の同意が必要なため)または友達同士で、美容整形や形成外科医院・クリニックなどを訪れる高校3年生がぐっと増えるのだそうだ。
スヌンで自分の持てる力を出しつくしたら、次は大学入学前に身体のお手入れをということだ。目を二重まぶたにしたり、しみやほくろを取ったり・・・。医療機関側も、スヌンの受験票持参の学生には割引きをするなどのキャンペーンを行う。
韓国と日本、隣同士の国だが、受験シーズンの風景は随分と違うものだ。
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