'09.11.15(日)射撃場火災事故 ご家族釜山到着

dilbelau

2009年11月15日 20:56

11月15日、気持ちよく晴れ渡った朝。
今日は以前 「ジャカルタ駐在員」 さんがブログで紹介されていた、中央洞にあるウナギ屋さんへ夫と昼食を食べに行く予定にしていた。

そんなとき、いつもお世話になっている国際交流財団の方からの電話。

昨日14日、国際市場内の室内射撃場で起きた事故に巻き込まれた日本人観光客の方々のご家族が、今日のお昼に釜山に到着される予定だという。ついては、通訳要員として協力してもらえないかとのこと。

突然の出来事に巻き込まれたご家族の方々のお気持ちを思うと、私でお役に立てることがあるのならと、予定を変更して中央洞にある国際旅客ターミナル(船)へと向かった。

ターミナル内にはすでに大勢の報道陣が、家族の方々が到着するのを待ち構えている。まるで、そんな報道陣たちの盾になるように数十人の警察官がずらりと並びバリケードを作っている。

ものものしい雰囲気の中、私ともう1人の日本人、そして財団関係者の3人が合流し、日本人負傷者お二人が治療を受けている、熱傷専門病院へと向かった。

病院の前にも中にも大勢の報道陣。韓国人も日本人も。

やがて、領事館関係者や釜山市庁関係者と共にご家族の方々が病院へ到着すると、すさまじいストロボの光がたかれ、一斉にカメラやビデオで撮影される。ご家族の方々は、まずはこの病院の院長の説明を受ける。現在の病状、治療方針、今後の見通しなど。続いてご家族から院長へ質問がいくつか。

そして、実際にお二人の日本人の方(それ以外にも2人の韓国人と身元不明の男性1人の計5人がこの病院に入院されている)が治療を受けられている集中治療室へ。

事前に院長から説明を受けていたとはいえ、やはり実際に変わり果てた家族の姿を目の前にすることは、あまりにも衝撃が大きい。つい昨日、元気で家を出たであろう人が、全身に熱傷を受け顔も身体も腫れあがり、見るも痛々しい姿でベッドに横たわっている。なんと痛ましく、残酷な再会だっただろうか。

お1人は意識がはっきりとされ会話も可能だったが、もうお一方は意識がなく人工呼吸器につながれている。

それでも ”聞こえるかもしれないから、声をかけてあげてください” と担当医にうながされ、震える声で話しかける。涙がぽろぽろこぼれ落ち、身体の震えが止まらないが、それでも懸命に声にならない声をかけるご家族。

お隣の国とはいえ言葉も通じない外国で治療を受けている、大切な家族。
すぐにでも日本に連れて帰りたいだろうが、容態がまだそれを許さない。
面会に来たご家族も、日本に子供を残してきていたりと、それぞれに事情もある。

大きな衝撃と不安で憔悴しているご家族を、それでも報道陣は容赦せずに追いかける(ように私には見えた)。
移動するたびにカメラに取り囲まれ、「あれがイヤなんですよね・・・」 とぽつりとつぶやくご家族も。
報道陣は報道するのが仕事なのだからと言われればそれまでだが、昨日までの幸せな日常が一転、悲しみと不安のどん底に突き落とされたご家族のお気持ちをお察しすると、もう少し配慮があってもよいのではないかと私には思えた。

ニュースでは、「入り口近くのソファーから発火か?」 とのことだが、事故の原因はいまだはっきりせず。
今後の原因究明、被害者の補償問題が大きな課題になるだろうと締めくられたニュース。

この事故で不幸にも命を落とされた方々のご冥福を、そして、重度の熱傷を負われ今この瞬間にもベッドの上で治療を受けていらっしゃる負傷者の方々のご回復を、心よりお祈りします。

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