釜山から2時間、ハプチョン 3
つづき
やがて、咸安(ハマン)郡の郡北(グンボッ)インターで高速道路を下りた。ここまでで約1時間経過。周囲は山々に囲まれたのどかな風景だ。そこから先はずっと一般道を走る。一般道といっても交通量も非常に少なく信号もほとんどないため、運転手さんは相変わらずけっこうスピードを出して走る。
そのうち前方の座席に座っていた女性が何やらゴソゴソし始めた。どうも、カーディガンの裾についているヒモが、座席にひっかかって外れなくなってしまったようだ。女性の周囲の乗客も手伝っていたが、なかなかうまくいかない。
すると、夫の足元に座っていたおばさんもやおら立ち上がって 「どれどれ」 と様子を見に行き、戻ってきてもう1人のおばさんに状況を説明していた。その後、ようやくヒモは外れたようだ。
やがて最初の停留所・月村(ウォルチョン)に到着。ここで何人か下車したので、夫の足元に座っていたおばさんたちは空いた席に移動。やれやれ。
その後バスは宜寧(ウィリョン)郡に入り、鼎岩(チョンアム)、宜寧、嘉禮(カレ)、七谷(チルゴッ)、大義(テウィ)の順に停留所にとまる。全ての停留所に止まるわけではなく、降りる乗客も、停留所で待っている客もいなければ通過する。
問題は、停留所の案内放送がないこと。
私たちのように、この路線を初めて利用する者にとっては、自分の目指す停留所がどのあたりにあるかなんて分からないので、案内放送がないとお手上げだ。私たちはこの日、終点まで行く予定だったので問題なかったが、途中の停留所で降りる場合、あらかじめ運転手に伝えておかないと降り損ねてしまうだろう。
降車ベルもないので、降りる人は停留所が近づいてきたらバス前方に移動し、次の停留所で降りるということを運転手にアピール。乗車券を渡して降りる。
きちんと案内放送のある市外バスもあれば、この路線のようなケースもある(運転手によるのかも??)。市外バスは移動手段として便利なので、このあたりをもう少し改善したら、外国人観光客もどんどん利用できるだろうにと思った。
停留所はターミナル風になっているところもあれば、ただ道端にとまるところもあり。乗客は少しずつ降り、また少ないが乗ってくる人もいた。このあたりになると、市内バス代わりに利用しているのだろう。2人がけの席が空いたので私たちもそちらに移動。
水田がたくさん見えた。田植えが終わった田も、これからの田も。また、山の斜面にはけっこうたくさんお墓があった。
やがていよいよ陜川(ハプチョン)郡に入った。三嘉(サムガ)という停留所付近にはちょっとした市場があり、韓牛の食堂もいくつか見かけた。韓牛の産地として有名なようだ。「動物病院」 ではなく 「家畜病院」 というのもあった。
続いて、雙栢(サンベッ)、大陽(テヤン)の停留所を経由して、12:15に終点の陜川に到着した。釜山から1時間55分だった。
つづく
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