先日、職場の韓国人友人に、꽃게(ワタリガニ/ガザミ)料理をご馳走してもらった。地下鉄1号線ポムネッコル駅のそばにある 「옛날구포집」(イェンナルクポチッ)という店。1979年オープンだそうなので今年で34年。韓国では 「老舗」 の部類に入る。オープン当初は、現在店舗のあるところから少し離れたところに店を構えていたそうだ。移転とともに店を拡張したのだろう。
メニューは、게탕(ケタン=ワタリガニのスープ・10,000w)や아구탕(アグタン=アンコウのスープ・12,000w)、아구찜(アグチム=アンコウのピリ辛料理・28,000~40,000w)、복국(ポックッ=ふぐスープ・9,000w)、대구뽈찜(テグポルチム=タラのピリ辛料理・28,000~35,000w)など。この日はワタリガニの煮付け 「게조림」(ケジョリム)をいただいた。2~4人分と人数に応じて量が選べる(33,000~45,000w)。
まず、おかず類が並ぶ。これらとご飯だけで立派な定食になりそうなボリュームだ。
この店は、おかずの中でも特に시래기국(シレギクッ=大根の干葉スープ)(写真右上▲)と山椒のキムチ(写真上段中央▼)がおいしいと評判なのだそう。山椒のキムチは初めていただいたが、爽やかな山椒の香りが口いっぱいに広がりとてもおいしい。ご飯泥棒だ。
やがて主役が運ばれてきた。見るからに豪華な一品。秘伝のヤンニョムで煮付けたワタリガニを、甲羅中央で半分に切ってある。2人分で4匹分入っている。
まずエプロンをつけ、手をきれいに拭いたら準備完了。半分に切ってあるワタリガニをトングではさんで、食べやすいようにさらに細かく切っていく。甲羅の中には身がぎっしり詰まっている。
後は、カニを手で持って豪快にしゃぶりつくように食べるのみ。
秘伝のヤンニョムと磯の香りたっぷりのカニの風味が、何とも言えないおいしさを生み出す。クセになる味だ。ヤンニョムは辛くないので、辛いものが苦手な人でも安心だ。カニと一緒に添えられているタマネギも、カニの旨みを吸ってとてもおいしい。
機張(キジャン)のカニ(タラバ・ズワイ)のように、殻から身を取り出してむしゃむしゃ食べるのもおいしいが、このワタリガニのようにかぶりついて食べるのもまた美味。「食べる」 という人間の野生的な本能をくすぐるからだろうか。
ワタリガニを食べ終えたら、残ったヤンニョムに麺を投入しからめて食べるのも絶品だそう。想像しただけでも生唾ものだが、この日は食後にデザートの予定があったので、麺はまたの機会のお楽しみにすることにした。
この日(2012年12月28日)は明け方から釜山で大雪が降り、交通が麻痺するなど大騒ぎだった。店の前には午後になってもまだ雪が残っていた。
옛날구포집(イェンナルクポチッ)
釜山市釜山鎮区凡川1洞858-53番地
*地下鉄1号線ポムネッコル駅8番出口出てすぐ右へ、突き当たり。
(051) 631-7404
営業時間:10:30~21:50
定休日:第1・3日曜日
http://cityfood.co.kr/h9/gupo