真っ赤な太刀魚

dilbelau

2012年02月01日 21:04

しばらく続いていた厳しい寒さがゆるんだ週末のお昼、夫と昼食を食べようと入ったのは広安里沿いの대궐쌈밥(テグォルサムパッ)という店。제육쌈밥정식(豚肉サムパッ定食)や、소불고기쌈밥(牛プルコギサムパッ)など、葉もの野菜で肉などを包んでいただく料理がおいしい。

この店に来るのは久しぶりだったが、相変わらずたくさんの客が入っており、店のおばさんたちはてんてこまいの様子。カニを醤油で漬けた게장(ケジャン)の定食など、新メニューもできていた。この日はいつもとは違うメニューを注文。私は갈치조림정식(太刀魚の煮付け定食=8,000w)を、夫は청국장정식(チョングッチャン定食=7,000w)を。

2人分の料理がテーブルの上にずらりと並べられる。



太刀魚は韓国らしく真っ赤な状態で出てくる(▼)。一瞬何だか分からないほど、たっぷりのヤンニョム(タレ)の中に太刀魚と野菜が埋もれている。



適度な辛さが食欲をそそる。



夫のチョングッチャンも、思いがけず赤かった(▼)。



豆腐もたっぷり入っているので、見た目は순두부찌개(スンドゥブチゲ)にも似ている。色は真っ赤だが、味はほとんど辛くない。



野菜中心の具が入った器(▼)にご飯を入れ、そこにチョングッチャンも投入し、コチュジャンも適量加え、全体をよく混ぜていただくのが韓国スタイル。



そして、もう1つの 「赤い料理」(▼)。大根とサバの煮物。煮汁がたっぷりでチゲ風だ。これも辛くない。味がとてもよくしみていておいしい。



これらのおかずに黒米入りのごはんと、ニンニクがきいたワカメスープがつく。あれもこれもとおかずをつまんでいると、おなかいっぱいになる。

おいしくいただいて店を出ようとレジに行くと、ある男性がレジの人と何やら話している。聞くでもなく聞こえてくるのには、その男性が食事を終え帰ろうとしたら、履いてきた靴がなくなっているのだと。「似た靴があって、誰かが間違えて履いて帰ったんでしょう」 と店員が言うと男性は、「自分の靴は今ここ(店の玄関)にある靴のどれとも似てはいなかった」 と主張する。

間違えて履いて帰ったのではなく、誰かが故意に持ち去ったのではないかと思っているようだ。たまたまスマートフォンの中に、なくなった靴の画像が入っていたようで、「この靴です」 と店員に見せている。

「じゃあ、靴が見つかったとか何かあれば連絡します」 と店員が答えるが、男性はこの日はたまたま蔚山(ウルサン)から来ており、またすぐ蔚山に帰るとのこと。もし後で見つかっても、すぐに取りには来られないというようなことを話している。

私は靴を履き終えて店を出たので、その後どうなったのかは分からない。韓国では食堂で、食事中の客の靴がなくなる(盗まれる)ことが、どうも多いように感じる。この店も、お客様の履物の紛失については当店は責任を負いません、という張り紙がしてあった。以前にもそういうことが何度かあったのだろう。

この店だけでなく、同様の張り紙は他の食堂でもよく見かける。そういえばテレビニュースで報道されていたこともあった。たまたま靴を盗んでいく犯人の様子が、店の防犯カメラに写っていたとかいう内容だった。それにしても、靴を盗んでどうするのだろう。新品でないなら売れるとも思えないし。まさか自分で履く??



대궐쌈밥
釜山市水営区広安洞194-2番地
(051) 754-6160

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