パラオのオレンジ色の月

dilbelau

2010年06月24日 21:30

先月、ある新聞に私の書いた原稿が掲載された。週に1回、8人の外国人が持ち回りで原稿を書く 「多文化時代を語る」 というコラムだ。週に1回のコラムを8人で持ち回るのだから、1人当たり8週間に一度、つまり2ヶ月に一度の割合で執筆担当が回ってくるというわけだ。

私は5月の中ごろに書いたので次は7月の予定だったのだが、編集の都合で予定が早まり6月半ばに2回目の原稿が掲載された。



今回は、10年ほど前に2年間住んでいたパラオで見た ”月” について。水平線から上がってくる、オレンジ色の大きな大きな、そしてまん丸な月を初めて見たとき、最初は日本で見慣れた月とはあまりにも違っているので、それが月であるということに気が付かなかった。

そばにいたパラオ人にあれは何かと尋ねると、笑いながら 「月よ。日本じゃ月を見たこともないの?」 と言われたのだが、その言葉が私には違う意味を持って心に響いてきた。

物質的には豊かで不自由なく暮らすことができる日本という国だが、考えてみると私は今まで日本で一度も水平線や地平線から上がってくる月を見たことがなかったのだ。高い建物に囲まれて生活していたため、私にとっての月とは、見上げれば空高くで輝いている白い月だった。

「日本じゃ月を見たこともないの?」

そのパラオ人はもちろん冗談でそう言っただけなのだが、私には 「美しい月が水平線から昇ってくるところを愛でる心の余裕や、精神的な豊かさが、日本にはないの?」 と言われたように感じてはっとしたのだ。

そういうことを書いた今回のコラム。自分の書いた韓国語が編集者によってどのように修正されるか、どのように書けばスッキリするのかなどを知ることもでき、勉強になる。

次回の担当は9月初旬。ちょうど夫が夏季休暇で時間に余裕があるため、次回分だけ夫が書いてみることになった。さて、どんな記事になるかとても楽しみである。^^

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