♪♪ 花も~嵐も~踏み越えて~
毎週月曜日、韓国語の勉強のため参加している鄭戊錬先生の勉強会では、韓国や韓国語に関すること以外にも得ること、学ぶことが毎回たくさんある。
日本語や日本の歴史などについて先生が説明してくださる中には、日本人でありながら初めて聞くこともたくさんある。「一生勉強!!」 とおっしゃり、それを身をもって実践されている先生のお姿は、私にとってのお手本でもある。
さて、先日は先生の趣味の一つであるハーモニカの演奏を聴かせてもらうことができた。お若い頃から独学で覚え、今でも多くの曲を楽譜など見ずに吹けるのだそうだ。
お若い頃に比べると、”息が続かなくなって思うようには吹けなくなっちゃってね・・・” とはおっしゃるものの、なんのなんの。聴いてみて驚いた。
これ(▼)は、映画 『愛染かつら』 の主題歌 「旅の夜風」 を演奏して下さっているところ。
♪♪ 花も~嵐も~踏み越えて~、行くが男の生きる道・・・♪♪ というアレだ。
演奏が始まると、先生と同じく若い頃を日本で過ごされたという、勉強会の参加者のお一人がハーモニカに合わせて歌を口ずさまれる。この歌はとても流行ったのよ、とおっしゃるその女性。当時から何十年も経った今でも、歌詞を正確に記憶されていた。
ハーモニカは、メロディーの部分と伴奏の部分が、まるで2人が演奏しているかのように同時に聞こえてくる。どうすればそういうことができるのかとお聞きしてみると、舌の先でハーモニカの穴を押さえるのがコツなのだと教えてくださったが、到底私にはできそうもない。
「昔、密航船で日本に渡って、どこそこの収容所に入れられてたときもね、このハーモニカ吹いてたのよ」 と、サラリと言ってのける鄭先生。「生きてくってことは大変なことだけど、それでも死ぬまではね、一所懸命生きなくちゃいけない。」 80歳半ばの先生のお言葉は、どれも深くて心に残るものばかり。
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