'09.12.21(月)ぜんざいで厄除け

dilbelau

2009年12月21日 21:21

明日12月22日は冬至。
韓国では、冬至の日にぜんざいを食べると魔除けになると考えられ、各家庭で食べる習慣があり、また店先で大きな鍋で煮て、湯気を立てて売っていたりもする。

夕方Sオンニが、「あなたの家に大きな鍋あったでしょ?ぜんざい作るからちょっと貸してちょうだい」 と家に来られた。でも見てもらったところ、うちで一番大きな鍋よりもっと大きな鍋が必要だとのことで、ご自宅のお鍋を使われることになり、「後で食べにきてね」 と一旦帰られる。

1時間ほどたって、「できたわよ~」 と電話。

早速、小鍋を持ってうかがう。
ドアの前に立った時点で、すでにぜんざいのいい香りが漂っている。

コンロの上には、それはそれは巨大な鍋。
鍋の中には一体何人分ぐらいあるのか、見当もつかないほど大量のぜんざいが湯気を上げている。親戚などにも配るのだそうだ。

私があまりの量の多さにびっくりしていると、奥の部屋にいらっしゃったご主人が台所に来られ、
「冬至にこれを食べると、悪い気を払ってくれるんだ。中に入ってる団子は、年の数だけ食べなきゃだめだよ」
(そんなに食べられません~・・・)

と、説明しに来てくださる。

眉毛がとても凛々しいオンニのご主人。それほど口数が多いわけではないが、なんともいえない優しさを感じさせる方だ。豪快だが、オンニ同様、少しシャイなところがあるようにお見受けする。

オンニはおしゃべりしながら、持参した小鍋にぜんざいをどんどん入れてくれる。夫と2人で食べるぐらいあれば充分だからと言っても、「な~に言ってるの、たくさん食べなさい」 と、鍋になみなみと入れてくださった。

「残ったら、明日食べたらいいから。団子はちょっと時間を置いた方が、歯ごたえがよくなっておいしいから。なくなったら、また取りにいらっしゃい」

中の団子も、オンニがもち米を練って作られたものだそうだ。



正確には日本のぜんざいとは少し違う。「단팥죽」 と呼ばれるこの食べ物、韓国語を直訳すれば 「甘い小豆のお粥」 だ。その名の通り、柔らかくふやけたご飯粒がたくさん入っていて、まさに小豆のお粥。オンニのこの 「단팥죽」 は塩味がつけてあり、食べるときに好みで砂糖を入れるようにと教えてくれた。

「それから、これ동치미(トンチミ)。これとぜんざいを一緒に食べるとおいしいのよ」 と、これまたお手製のトンチミもたっぷりくださる。ぜんざいと酸味のきいたトンチミがよく合うということだ。普通は大根だけを使うようだが、白菜も一緒に漬けてある。シャキシャキと歯ざわりもよく、おいしい。日本の漬け物とそっくりの味だ。



オンニの愛情たっぷりのぜんざい。これをいただけば、強力な魔除けになりそうだ。いただきます!

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