'09.4.13(月)「お母さんは家にいるの?」
今日は夜に雨が降るという天気予報だが、朝はよく晴れた気持ちのいい天気。自転車で学校に向かう途中にある、藤棚の藤も日に日に満開に近づいていく。
風にそよそよと揺らぐ様子は、舞妓さんの髪飾りを思い出させる。
学校の帰りに買い物をすませて、いったん帰宅。
アパートのエレベーターを降りたところで、同じ階に住んでおられるおばあさんに会った。とても上品な感じの方で、足腰の運動のためだろうか、私たちの階の廊下を端から端までゆっくりしたペースで歩いている姿をよくお見かけする。
会えば軽く挨拶をする程度だったのだが、今日はにこやかに話しかけてくださった。でも、その質問は、
「お母さんは家にいるの?」
『……。私の母ですか?』
「そう。あなたの」
一瞬、私の母が今も健在かと訊いているのかと思ったが、それにしては、その女性の視線はうちの玄関のドアの方に向けられていて、まるで、家に母がいるのかと訊いているかのよう。
質問の意図が測りきれずに答えあぐねていると、
『あら、あなたあの人の娘だと思ってたけど、違うの?あのおばさんの』
どうも、私がSオンニの娘だと思っていたようだ…。
でも、私が夫と一緒にいる姿を、その女性は何度か目にされているはずだから、その女性の想像では、
”結婚して、母親(Sオンニ)の2軒隣の部屋に住んでいる娘”
だと思っていらっしゃったのだろうか。
「いえいえ、私は日本人で私の母は日本にいます」 と答えると、『あら、そうなの~』。
そうこうしているうちに、いったん上に上がったエレベーターがまた私たちの階に降りてきて、おばあさんは乗り込まれた。
「お気をつけて」
『は~い』
10歳ほどしか年が違わない私の母親だと勘違いされたと聞いたら、オンニ、さぞかしショック受けるだろうな~… (^^;
ここに住み始めて1年2ヶ月。はじめの頃は、会釈をしても無表情で軽くうなずく程度だった、時々見かける初老の女性(上記の女性とは別人)も、私のことを 「我が棟の住人の一人」 として認識してくださったのだろうか、最近では笑顔で挨拶を返してくださるようになった。
そういう些細なことでも喜びを感じるのは、やはり外国暮らしをしているからこそなのだろうか…。春だからだろうか…。
関連記事