'09.3.26(木)ポンテギ初体験

dilbelau

2009年03月27日 10:55

つづき

さて、活魚直販場で買ったアナゴとメイタガレイを食べるべく、裏手の食堂に向かう。その途中、直販場裏の漁船の前を通りかかった。

まだ真っ暗なうちに漁をするのだろう、ランプをたくさんぶら下げた漁船が港にもやいであり、漁船の前には水揚げされたばかりと思しき魚が入ったカゴと、大きな水槽が。



カゴの中には、辛いことで有名な韓国料理 「아귀찜 (アグチム)」 に使われるアンコウが、大きな口を開けてたくさん入っていた。



さて、漁船の前を横切って、いざ食堂へ。

食堂といっても、포장마차 (屋台)。壁はなく、かわりに厚いビニールシートで覆われている。冬には内部を練炭ストーブで温め、夏にはビニールシートの一部をファスナーで開けて風を通す。

초장 (酢とコチュジャンを混ぜたもの)と書かれた門(?) をくぐって入ると、それら屋台がいくつか並んでいる。



周囲がぐるりと厚いビニールシートで覆われてあり、座敷の上にテーブルがたくさん並べられている。左手前に見えているのが練炭ストーブ。私たちが店に入ったときには、これらの席がほぼ満席状態だった。平日の昼間なのに、こんなに混雑しているとは驚いた。オンニによると、地元の人にたいそう人気の店なのだそうだ。



席に着くと、付け合わせの野菜や刺身につけて食べる味噌、ニンニクのスライスなどと共に、驚くべきものが運ばれてきた。



そう…。

私がどうしても食べてみる勇気が出ず、いまだに一度も食べてみたことがない번데기 (ポンテギ=蚕のさなぎの煮つけ)。



今まで、道端の屋台で鍋で煮ながら売られいるポンテギは何度も見たことがあり、そのたびにあの独特な匂いにノックアウトさせられていたのだが、このように店でテーブルに出てくるのは初めての体験。

さすがにこの至近距離でポンテギを目にして、うわぁ…と動揺を隠せない。

オンニに、一度も食べたことがないと言うと

「香ばしくておいしいわよ。大丈夫よ。食べてみなさい。美容にもいいのよ。」

と、えらく勧めてくれる。

「身体にいいとされる桑の葉を食べて育つ蚕なんだから、その蚕を食べることは身体にいいのよ。」

そりゃあそうかもしれないけど…、とまだためらっている私を前に、オンニは次から次へとおいしそうにばくばく食べている。

はて、どうしようか…。

もちろんオンニも、何が何でも食べなさいなんて言わないので、食べないでおくという選択肢もあったのだが、今食べなければこれから先、一生食べてみる気にはならないだろうと確信したので、勇気を振り絞って一つ口に入れてみた。

「……」

苦いとかえぐいとかではないのだが、やはりおいしいとは感じられないし、何と言っても食感が…。

「おいしいでしょ?」 とオンニ。

もう1つだけ食べてみたが、私にはもうそれで充分。おいしいと勧めてくれる人の前で、あからさまに苦手だという表情はできなかったが、眼尻にうっすら涙がにじんでくるのを感じた…。

さて、気を取り直してアナゴとメイタガレイを待つ。

つづく

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