午前中、所用があって訪問した先で用事が済み、そろそろ帰ろうかとしていたところ、そこの韓国人の知人に昼食にお誘いいただいた。ちょうど日本人の方とお昼の約束をしているので、よかったら一緒に合流しませんかとのこと。
向かった先は南浦洞にほど近い中央洞。ビザの申請などで出入国管理局へ行くため、何度か訪れた場所だ。
その日本人の方と落ち合い、知人の案内で歩くこと数分。
知人が「ここなんです。ちょっと古いところですけどね」と示した先は、こんな場所。
「중앙식당」 という看板の向こうには、細くて薄暗い路地が続く。いかにも地元の人に人気がありそうな、知る人ぞ知る的な雰囲気。たまたま通りがかったとしても、1人ではきっと入ってみるのにはかなり勇気がいるような雰囲気。
この路地の突き当たり左側に、店の入り口がある。
知人たちに続いて店に入ると、4人掛けのテーブルが8つほどの、それほど広くはない店内。各テーブルにはいくつものパンチャン(おかずの小皿)が、すでに並べられてある。
知人が「3人分」と注文したあと、私たちに 「ここは대구탕(タラのスープ)が有名なんですよ」 と説明してくれる。
「それにここのは生のタラを使っているから、おいしいんですよ」と。
「生のタラ」に反応した私。
대구탕(タラのスープ)といえば、つい先日夫と一緒に
近所の店で久しぶりに食べたばかり。
でもその近所の店のタラのことは、以前Sオンニも 「あそこは冷凍のタラを使ってるから、あんまりおいしくないわよ」 と言っていたし、その知人にも話してみるとやはり同様の反応。
대구탕(タラのスープ)といえば、まだその近所の店のものしか食べた事のない私にとっては、冷凍のタラでも充分おいしく感じられたのだが、今日は「生のタラ」を使った대구탕が食べられると思うと、期待がふくらむ。
ほどなくして主役の대구탕が登場。
数々の小皿のおかずで、すでにテーブルの80%ぐらいは埋め尽くされているので、大きいスープの器とご飯の器を置くのには工夫が必要。
見た目は近所の店の대구탕と同じく、大きなタラの身とスライスした大根、ネギ。
早速スープを一口。やはりとてもいいおダシが出ていて、何ともいえない優しい後を引くおいしさ。
肝心のタラの身は…。
柔らかい!
やっぱり「生」は違うと実感!
冷凍のタラは歯ごたえがしっかりある感じで、それはそれで好きな人もいると思うが、生のタラはやはりフワフワに柔らかい。
タラの身ももちろん全部いただき、たっぷり入っていたスープもすっかり飲み干してしまうほどおいしかった。
落ち着いたところでメニューが目に入る。
刺身盛り合わせ : 大50000ウォン、小30000ウォン
ヒラメの刺身 : 40000ウォン
刺身ピビンパ : 10000ウォンと6000ウォンの2種
생대구탕(生タラのスープ) : 20000ウォン
え??
20000ウォン??
確かにおいしかったから、まあ20000ウォンと言われればそうかなとも思うが、近所の대구탕が7000ウォンなのでちょっとその値段に内心ビックリ!!
生の대구탕ってこんなに高いものなんだー、と社会勉強をしたつもりで財布を取り出していると、韓国人の知人が
「いいですよ~。また今度!」 とにこやかな笑顔で。
3人分支払ってくれたようだ。
それでも私が気にしていると、「また今度ランチするときには、ね」 と、きっぱり。
韓国では、複数人で食事をした場合、たいていは「割り勘」ではなく、誰か1人が全員分支払う。
最近は「割り勘」方式も増えていると聞くが、日本ほどではないと思う。
その代わり、次の食事の機会には、前回ご馳走してもらった人が支払う、というようにするスタイルが主流。
「割り勘」スタイルは、なんだか水くさいと感じるのだそうだ。
「今日は私が出すから、次はあなたがお願い」 というこのスタイル、慣れればあっさりしていていい気がする。
とにかく…、Jさんご馳走さまでした~!