昨日とは打って変わって朝から雨。昨日の快晴がウソのよう。
朝食を済ませ、私たちの週末の朝の習慣になりつつある「スタバでコーヒー」へ。夫は読書、私は編み物。やがてお昼時になったが、雨がまだシトシトと降り続いているため、昼食は近場で済ませようと同じく広安里ビーチ沿いにある「대구탕(鱈のスープ)」の店へ。
ガラス張りになっているこの店は、いつ前を通りかかっても多くの客で賑わっているのが見える。私たちも釜山へ来た当初、一度来たことがある。
おいしかったのだが、量がものすごく多かったという印象があり、それ以降は入ったことがなかったのだが、久しぶりに入ってみようということになった。
ちょうど1年ぶりぐらいになる。
雨にもかかわらず店内は相変わらず混んでいる。番号札を取り、席が空くのを待つこと5分ほど。席に着くや否や店員が早口で何か尋ねてくる。実際に早口なのか、しばらく韓国を離れていたせいで早口に聞こえたのか分からないが、とにかくとっさに何を言っているのか聞きとりかねていると、横から店の主が「辛いの?辛くないの?」と聞いてくれる。
よく見ると店内には「순한 맛(マイルドな味)、 얼큰한 맛(辛い味)どちらも7000ウォン」と書いてある。あー、こう言っていたんだ、と納得。
メニューは1種類「タラのスープ」のみ。客は辛いか辛くないかを選ぶだけ。
韓国人の「辛い味」は、日本人には「食べられないほど辛い味」のことが多いので、私たちはもちろん「マイルド味」を注文…したかと思うと、ほんの2~3分で出てくる。速い!
主役のタラのスープの他に白飯、キムチ、海苔、佃煮などの小皿のおかずが数個ついてくる。
タラのスープは、スープの量もタラの身の量もLLサイズ。
骨つきのタラから、とてもいいおダシが出て大変おいしい。
おいしいのでついつい全部飲み干してしまうし、また身もかなりの量が入っているので、相当おなかいっぱいになる。
また、おかず類とは別にこういう調味料もついてくる。
赤唐辛子と青唐辛子を細かく刻んだものと味噌を混ぜたと思われるこの調味料は、言わずと知れた「辛味」調味料。
匂いを嗅ぐだけで辛いことが分かるし、試しにほんの少しだけ舌の上に置いてみたが、独特の口から火を噴くような刺激的な辛さが広がる。
他の客を観察してみると、タラのスープを注文するとき、「辛い味」ではなく「マイルドな味」を注文する客も意外に多かった。しかし、「マイルドな味」を注文した客は、やはり上記の「辛味調味料」をたっぷりとスープに入れて、好みの辛さにして食べていた。
教会か会合か何かの帰りだろうか、韓服姿の女性グループが入ってきた。全員「マイルド味」を注文していたが、その後さりげなく見てみると「辛味調味料」の小皿はほとんど空になっていた。さすが。やはり辛くないと何か物足りないのだろう。
釜山方言でガンガンおしゃべりしながら、活気あふれる様子で食べていた。
日本人の食事シーンが「静」だとしたら、韓国人のそれは「動」だとつくづく感じる。
店を出るころにもまだ雨は降り続いていた。雨の「釜山1周年記念日」だった。