2008年11月20日(木)誕生日のワカメスープ

dilbelau

2008年11月20日 11:51

オンニにプレゼントを渡して夫は出勤、私は掃除などしているとオンニから「忙しくないなら遊びにいらっしゃい」と電話が。そしてすぐ後でまた電話があり、「お鍋1つ持ってきて」と。

スープか何かおすそわけしてくださるんだなと、お鍋を持っていそいそとうかがうと、少し開けてあるドアの隙間から、魚を焼くいい匂いが通路にもただよっている。
オンニが「魚の匂いするでしょ」と言いながら、魚をたくさん焼いていた。



イシモチとカレイを焼いていた。

イシモチは、「高いものは1匹で2万ウォンぐらいするのよ。これは安いやつだけど」と。

高級なイシモチは高いとは聞いてはいたが、1匹2万ウォンもするとは…。





カレイは、韓国語でどう言うのか分からなかったので「目がこっちに寄ってるやつでしょ」と、カレイの真似をして聞くと、それがおかしかったらしくオンニは大笑い。

その後も、カレイのことを話すとき、オンニも「あの、目がこっちに寄ってる魚がね…」と。^^



そして、お鍋を持っておいでと言っていたのは、「ワカメスープ」のためだった。

そうだった、そうだった!

韓国ではワカメスープは滋養があるとされ、産後の女性がよく飲むし、そして誕生日の朝には必ずといっていいほど、家族そろってワカメスープを飲む習慣があるのだった。



相当大きなお鍋にたっぷりのワカメスープ。私たちにもたくさんくださった。ワカメだけではなく、貝の身も入っているそうでおいしそう。今日の夕食にいただこう。

そして、また連鎖的にあれも、これも、とたくさんくださる。(^^)

これはオンニが漬けた水キムチ。白菜・大根・ネギ・リンゴ・梨・ニンジン・ゴマ・コチュなど、さまざまなものが入っている。これは食堂でもよく出てきて、具を食べるのはもちろん、漬け汁もいただくと口の中がさっぱりとしておいしい。コチュのかけらを食べさえしなければ、辛くない。酸味と果物の甘味のバランスがよい。



以前から、この漬け汁の味付けはどうしているのだろうと思っていたので聞いてみたら、意外なものだった。

まず野菜に塩をふってある程度水気をしぼり、水と一緒に容器に入れる。そこへ、たっぷりの水でもち米を鍋で炊いた、その炊き汁を入れるのだそうだ。それからニンニクのしぼり汁も。

もち米の炊き汁を入れることで発酵するのだろう。作って1日か2日は常温に置いて発酵をすすめ、それから冷蔵庫に入れるように教えてくれた。


そして真っ赤なコチュジャン(オンニお手製)とコチュ粉。

韓国のりの和えものも(右)。

韓国人であるオンニにとって、日本人がコチュジャンやコチュカル(粉)を料理にほとんど使わないというのが、どうにも不思議でならないらしい。



「じゃあ、何で味付けするの?」

『醤油とか味噌とかみりんとか…』

「コチュを入れないということは、白く料理するということね?」

白くというか…、まあ赤くはならない…から、白くということになるのかな』

「ふ~ん…。じゃあ、私が作るおかずは赤いけど、ああいうのは好きじゃないってこと?」

『いやいや、そうじゃなくて。韓国料理は韓国料理で好きだけど、日本料理も好きだから、家で作る時は日本的な味つけにするの』

「ふ~ん…。でも韓国に来たんだから、コチュを使った料理も覚えなきゃ」

ということで、たっぷりのコチュジャンとコチュカルをくださったのだった。

正直、こんなに大量の(私にとっては大量!)コチュジャンとコチュカルを使いこなす自信はないが、自分が愛してやまない韓国料理を、せっかく韓国に住んでいるんだからこの日本人にもいろいろ教えてあげたい!というご好意は、ガンガン伝わってくる。

日本なら、「これを差し上げてもかえってご迷惑になるかな…」などと相手を気遣う場合があるが、こちらでは「自分がいいと思ったものは、相手にも自信をもってすすめる」という傾向がある気がする。モノだけではなく、時には考え方も。

それがはなはだしいと、日本人にとっては戸惑うこともあるだろうが、オンニの場合は心から、「この日本人夫婦に、おいしい韓国の料理を食べさせてあげたい」と思ってくれているのが、よく伝わってくる。

ありがとう、オンニ~!
おいしくいただきま~す!

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